自然派の農家こそITを駆使してほしい

今日は、工房ブログの更新をしました。「簡単に無線で温度を送受信したい」の第2回ですが、ここでは内容に立ち入りません。こういうことをやっているのは、多分にわたしがそういうことが好きだからというのが一番の理由なのですが、これからの農業のために、ITだのIoTだのといった情報技術が役に立つんじゃないかと思っているということもあります。勘違いかもしれませんが。

どう役にたつのかというと、ハウスの環境管理が楽になるとか、田んぼの水を見に行かなくて済むとか、トラクターが勝手に働くとか。そういうことじゃ全然なくて、もっと大きい問題に目を向けられるんじゃないと考えているのです。

勿体つけてなんですが、大きい問題とは、人間と自然の対立です。そう対立です。人が人たりうるのは、自然と離れることによります。なので対立は避けられません。しかし、対立しすぎて、このところかなりやばいことになっているのも事実です。しかももう手遅れなんじゃ?という状態です。しかしそれでもあきらめず何とかしようと考えるのも、また人というものです。

とはいえ、当然ながら、今までと同じようにやっていても糸口は見えてきません。同じことをしていて違う結果を出そうと考えるのは愚かです。善意とか努力だけでは、解決しそうにないということは明らかです。さらにいうと人が認識できる世界というのはごくごく狭い範囲でしかないので、環境を相手にすると思うとどうにも身動きがとれなくなってしまいます。そしてそういうことを考えないひとが大活躍しちゃうわけです。

そんなわけで、ここはひとつITだのIoTだのAIだの、そういったものに頼るのもいいのではないかということです。新しい感覚器官のひとつだと思えばいいんじゃないでしょうか。話がそれますが、将棋や碁でAIに勝てないと嘆くひとがいますよね。でもAI自体人間が作ったんだから、何で嘆くのかよくわかりません。それは人の成果なんだから、それをばねに将棋でも碁でも新しい世界を開けばいいじゃないかと門外漢は思います。

農業に話を戻すと、たとえば、作物の必要量だけではなくて、汚染流出を抑えるような施肥量を気温や湿度、土壌養分の実測値といったことから計算したり、地域全体の用水量を最適化して河川の水量を確保し生き物の生息場所を守ったり。なおかつ、その努力が消費者に伝わって購買意欲につながったり。

そういう方へ向かえばいいんじゃないかと思っているわけです。

ところが、現状としては、自然や環境なんかに興味のある農家は、ITだのIoTにはあまり関心がなく、関心があるのは生産性を高めて人件費を削減したいというようなマインドの人ばかりのように見えます。どっちかというと自然派の人は、そういうの好きじゃないっていうのはわかるんですけどね。

どうしたもんかなと。