白山のめぐみ

夕日に照らされる今日の白山

今日の夕方の白山です。白山は、富山、石川、福井、岐阜の4県が接する辺りにそびえる、かなり存在感のある山です。そしてこの時期ともなると、まさに白山というにふさわしい美しい姿でいらっしゃいます。そして、白山に雪がしっかりあるのを見ると、「ああ、来年も大丈夫そうだな。」と安心します。あの雪がいずれ田んぼを水で満たしてくれるからです。

白山から流れ出す水の一部は、七か用水という重要な農業用水に使われています。この七か用水は、石川県金沢市、白山市、野々市市、川北町(ようするに能登半島の付け根の左側あたり)を流れる大規模な用水です。この用水のおかげで安定した取水が可能になっています。ほんとうに助かります。

ただ、水が安定してとれるので、ちょっと無頓着になっていると感じるところもあります。水をいれて入れっぱなし、排水へじゃぶじゃぶ水がおちていたり(注)。用水は川からとります。七か用水の場合は、手取川という川です。当然、用水としてとった分、手取川からは水が減ります。白山についてはちょっとわかりませんが、最近は、森林が荒れて山から出てくる水が減ったりもしています。川の水が減るとそこに住んでいる生き物が困ります。

生き物がいなくなると、彼らが担っていた物質の移動がされなくなり、重力だけが働きます。そうするとなんでもかんでもひたすら海に向かって落ちていく一方通行。水は太陽のおかげで循環しますが、それ以外を循環させるのは生き物だけなんですよね。

ま、こういうことをいうと、「農業の方が大事だろう」といわれるんですが。

注:現在は用水と排水が別ラインなので排水に入った水はそのまま海に流れる場合があります。